アイドリッシュセブンを好きになったよ、という話

可愛い女の子が好き。

可愛い女の子が素敵な衣装を着て、歌って踊って、きらきら輝いている姿を見るのが大好き。

だから、アイドルが好き。

2023年6月中旬、そんな人間が、劇場版アイドリッシュセブンLIVE 4bit BEYOND THE PERiOD、通称ムビナナを見に行った。そうして記事タイトルに至る。

このブログに書いてあるのは、それだけの話。

そもそも何で見に行ったの?

見に行こうと思った理由は二つあって、

一つは二次元アイドルコンテンツがライブを主体にした映画をやるらしいと聞いて、どんなものか気になったから。Twitter(当時はXなんて名前は存在してなかったからね)のフォロワーさんが「アイドリッシュセブンは知らないけど面白かった」と言っていたことも大きいかも。アイドリッシュセブンそのものへの興味というよりは、二次元アイドルコンテンツを推しているものとして、参考に見てみようかなあという感じ。

もう一つは、私の知人がアイドリッシュセブンを好きだったから。その知人(以下先輩マネと呼ばせていただく)のことが私は好きなので、単純に一緒に映画を見に出かけたかったし、先輩マネとおしゃべりをするのが好きだったから共通の話題があったらいいなと思った。まあ八割くらいは下心。同性だし恋愛感情はないけれど。

ちなみに私はこの先輩マネと出かけたいがために(あとSCRAPさんが好きなので)アイナナコラボをしていたSCRAPのリアル脱出ゲームに参加したことがある。なのでIDOLiSH7のメンバーの顔と名前は知っていた。

まあそんなわけで、言ってしまえばアイドリッシュセブンそのものにそこまで深い興味があったわけではなかったけれど、いくつかのきっかけがあって映画を見に行くに至った。

今考えると、基本的には出不精で新しいものに触れるのが苦手な自分がよくそんな状態で映画館まで出かけたな、と思うのだけれど。たぶん映画だからこそ触れられたんだと思う。

アニメゲーム、本、漫画みたいな媒体だと、自分で触れる時間を作らないといけないし、それにかかる時間も自分次第になってしまう。けれど映画は、上映する時間が決まっているし、チケットをとって現地に行きさえすれば、自動的に始まって自動的に終わるから、途中で中断してしまって再開が億劫になることもない。チケットをとるハードルさえ超えてしまえば、意外とハードルが低いのかも。

あと一緒に来てくれる人がいたのは大きい。行くのが面倒になっても行くのやめられないからね。こんな人間に付き合ってくださって本当にありがとうございます、先輩マネさま…。

あとなんとなく、映画ってそれだけで完結するように作られているから、前後を何も知らなくても触れるし、映画を見て、それで満足してしまうことが許されているような気がして(私が勝手にそう思っているだけだけれど)、敷居が低く感じたっていうのもあるかも。

そんな感じで、先輩マネと一緒に近場の映画館に行ってムビナナDAY2を鑑賞した。

映画、見終わった

見終わった後、見に来てよかったなあと思ったし、満足感がすごかった。そして先輩マネとご飯を食べに行ったのだけれど、そこで感想が尽きないくらいには感じたことも多かった。

初見時のあの感動をなんて表現したらいいかなあってずっと考えていたんだけど、しいて言うなら『自分の意思で初めて海を見に行った時の感動』に近いなって思っている。

誰かに連れて行ってもらったり、何気なく前を通り過ぎることはあったけれど、自分の意思でそこに行った時、見えた世界が全然違った感覚。

誰かにとっては当たり前のようにそこにあって、愛してきた時間があって、私にとっても別に全く知らない世界ではなくて。けれど自分の足でそこへ行ったときに、初めて出会ったみたいに感動して、こんな世界があったんだ、って驚くような感じ。

そしてそこへ行くことを選んだ自分を褒めたいし、行って良かったね、って思うような、そんな感覚だった。

正直細かい感想はあまり覚えていなくて(これはその後何回も見に行ったから記憶が上書きされてしまったのもあるけど)、ただただ、いいものを見たなあって感動して、ちょっと浮かれた記憶が鮮明に残っている。

楽曲の中で印象に残っているのは、激情とRe-raise、NiGHTFALL、Pieces of The World。

千さんがとにかく美しくて歌声が綺麗だったこと、なぜかNiGHTFALLで涙が出てきたこと、16人の怒涛のパフォーマンスが印象的だった。そしてエンドロールの楽曲クレジット後半、怒涛の“作詞:真崎エリカ”の文字。

私が人生で一番と言っても過言じゃないくらいに大好きな曲は真崎エリカ先生の作詞だったりするので、まじかと思ったし同時に納得感もあったし、俄然アイドリッシュセブンというコンテンツに興味が湧いた。

あとムビナナそのものよりその前後の記憶の方が鮮明に残っていて、映画館に向かう道のりとか、特典を開けた時のこととか、見終わって真っ先に「すごくよかったです!」って先輩マネに言ったこととか、飲食店に向かう道のりも、飲食店に入ってからもずっと話していたこととか、もっと話したいなって思いながら先輩マネと別れたこととか、全部私にとって宝物だし、昨日のことみたいに思い出せる。

ちなみに一番記憶に残ってるのは、環さんがでっかいわんこみたいで可愛かったです~って話をしたら先輩マネに「環くん、アイドルの中で最年少なんですよ」って言われたこと。見終わったテンションでフワフワしていたのもあって、まあまあでかめの声でエッ!?最年少!?って言ってしまった。上の方だとは思っていなかったけど、まさか最年少だとは…。

あとはPieces of The Worldについて、歌っている組み合わせもコンテンツを追っているとなるほどね、となる組み合わせだということをこの時教えてもらった。

アプリをインストールしたよ

コンテンツへの興味が湧いたこと、先輩マネに言われたことが気になったこと、あと映画を見た翌日、ちょうど休日だったということもあって、アプリをインストールしてゲームを始めた。ちなみにこの日はちょうど17日だったので、私のマネージャー就任記念日は毎月17日だったりする。偶然だけど、でもいい日に始めたなって思っている。

そしてとりあえず1部のストーリーを読んだのだけれど、ストーリーを読み始めて早々に、ものすごくびっくりした。アイドル達が、ムビナナで受けた印象とだいぶ違う。とくに環さん、私が映画で見たこと違うんだけど?????

いや、同じ子ではある。ただなんというか、映画で見た時はでっかいわんこみたいだった子が、野良猫みたいな感じで出てきたのでものすごく驚いたし混乱した。

あとIDOLiSH7とTRIGGERは仲が良くない、というか全然対等な関係じゃないし、しかもセンターは双子同士だし、なにこれ???聞いてないんだけど???となったし、

じゃあIncomplete Rulerは双子で歌ってるの?なんで??となった。

幕の引き方のこともあって2部以降に環さんと妹さんがどうなるのか、とか陸さんと天さんの関係がどうなるのかは気になった。この子好きかもしれないなあって子もいたし、読む前よりアイドル達のことも好きになった。けれどなんというか、ムビナナとのギャップにかなりびっくりしてしまった感じが強くて、そこで一旦読むのをやめてしまった。

 

そんな中で友人(先輩マネとは別人。アイドリッシュセブンのことをよく知らない)に映画を見に行ったら面白かった、ということを報告したら興味があるというので、一緒に行くことになった。

そしてもう1回見た結果。初見時とは比べ物にならないくらいにアイドル達が魅力的に見えた。これはたぶん、初見時とはまた違った感情。

単純に顔と名前が一致する程度から(アイドリッシュセブンとトリガーは)なんとなくの性格がわかるところまできた、というのもあるのだけれど。なんというか…やっぱり1部でみたアイドル達とは全然違って見えて、この子たちがどういう過程を経てこのステージにたどり着いたのか、とか、この子たちのことをもっと知りたいな、と思った。

映画を見終わって、アイドル達のことが気になって仕方がなくて、2部を読み始めた。

私にとっての沼の入り口は、間違いなくここだったと思う。

2部以降も読んだよ

千さんも百さんもズールもやっぱりムビナナとは違ってて、アイドリッシュセブンとトリガーほどじゃないけどびっくりした。というかRe:valeはともかくズールは最初がっつりヒールとして出てきたので割と混乱したし、ここからみんなで一緒にステージに立つの…??となった。

そして先人たちが通ってきたであろう3部のトリガーとズールのあれこれを目にして、大混乱した。え、ここから一緒のステージに立つの???

そんな感じでグループ同士の最初期の関係性に困惑しつつメインストーリーを読みながらムビナナを見に映画館に通っていた。

その時はなんというか、とにかく早くメインストーリーを読み終えたい、「BEYOND THE PERiOD」にたどり着きたい、みたいな気持ちが強くて、寝食を疎かにしてメインストーリーを読み切った。

「BEYOND THE PERiOD」の特別ストーリーを含めて読み終えて、16人のライブが実現した経過や、このライブでIncomplete Rulerが披露された経緯まで見届けることができて、無事に終わりの向こう側へとたどり着いた。達成感がすごかったし、その後に見たムビナナはめちゃくちゃに感動した。

あと、メインストーリーを読み進めている間って、その時点が今現在で「BEYOND THE PERiOD」が未来で。ストーリーを読み進めるごとにアイドル達がどんどん成長していって、メンバーやグループの関係性が変わっていって、「BEYOND THE PERiOD」という未来にどんどん近づいていっている感じが、すごくどきどきしたし、楽しかったなあ。

そうして2回目の沼へ

そんな感じで6部まで読み切って、特別ストーリーを読んだりコミカライズ、フォトブック、雑誌等々を楽しみながらムビナナに通っていたのだけれど。

初回鑑賞時は周りに倣ってペンライトを振っていたんだけれど、2回目からはなんとなくペンライトを振らないで見てたんだよね。劇場にいらっしゃるマネージャーさんがペンライトを振るのを眺めながらムビナナを見てた。

この時の私にとって、ムビナナってまだ映像作品だったんと思う。感覚としては、関係者の立場で、収録されたライブ映像を見ている感じ。もしくは関係者席からアイドルとお客さんを見ている感じ。もちろんメインストーリーの流れを受けてアイドルとして舞台上で輝いている彼らに達に感動してはいたけれども、彼らをキャラクターとして見ている側面が強かったと思う。

そんな状態でムビナナを何回か見ていると流石になれてきて、新しい見方をしてみようと思って、ペンライトを振ったり、推しを目で追ったりしてみることにしたんだけれども。

これがたぶん、2回目の沼への入り口だった。

はじめてペンライトを推しのメンバーカラーにして、推しに向けて振った時、全く想像してなかったくらいにどきどきしたんだよね。今でもはっきりと覚えてるし、たぶん死ぬまで忘れない。走馬燈候補筆頭。

元々アイドルが好きだったからもちろん推しにペンライトを振ることなんて何回もあったのだけれど、でもやっぱり、初めての瞬間って特別なんだよ。

冒頭でも書いたけれど、私はアイドルがもともと好きなタイプの人間だった。ただ私が推してきたのは二次元三次元問わず軒並み女の子ばかりで、男性アイドルにはまったくと言っていいほど興味がなくて。音楽番組やバラエティ番組に出演しているのを時々見るくらいだし、二次元男性アイドルコンテンツも、触れたことはある程度。手を出したもののはまらなくて、すぐにやめてしまった。だから自分が推しに“アイドルとして”はまったことを実感した時、本当に衝撃的だった。

私は、アイドルが輝いて見える現象ってアイドル本人が放つ輝きと、舞台演出や衣装などの装飾と、見る側の、憧れとか羨望のフィルターがかかって起こるものだと思っていて。彼らをアイドルとして見る前の私にはフィルターがかかっていなかったから、彼らのことを“アイドルとして輝いている”と思ってはいても、それはあくまで客観的な視点で。ファンとして、彼らをアイドルとして応援する当事者にはなれていなかった。

けれどこの日、彼らをアイドルとして応援して、推しの色のペンライトを振って、推しだけを目で追った時。私には紛れもなく、推しがきらきら眩しくって仕方がなかった。アイドルをしている推しに対して、自分が初めてファンという立場になった瞬間だった。

そして彼らをアイドルとして応援していくうちに、キャラクターではなくアイドルとして、彼らのことをどんどん好きになっていった。アイドリッシュセブンの子たちって、キャラクターでもあるけれど、アイドルなんだ、って実感し始めたのがこの時。たぶんこの時点で初鑑賞から1か月くらいは経っていて、実感するの、相当遅かったんじゃないかな。

アイドル達をファンとして見るムビナナが本当に本当に楽しかったし、どきどきしたし、わくわくした。ライブ終わりに暗くなった空を見上げながら、ライブ楽しかったなあ、みんなきらきらしてたなあ、推しが素敵だったなあって思いながら空腹と共に消費したエネルギー量を実感して満足感に浸る瞬間を、まさか映画館から出てきたときにも感じるなんて思ってなかった。

こうやって文字にしてみると、ムビナナでアイドルとしての彼らに出会う→ストーリーを読んで彼らのことを知る→アイドルとして、彼らのことを応援する

って遠回りな過程を踏んでいるなあと思うんだけど、多分これくらいのことがないと私は、男性アイドルを推すところまでたどり着かなかったんだと思う。

なんというか、オタクをそれなりに長くやってきた中で、推しって女の子ばっかりで(これはアイドル以外も含む)、自分は男性を推すことってないんだろうなって思っていたから。

そんな、私の中にあった固定観念とか、ある種の諦めとかを、アイドリッシュセブンは軒並みコンテンツ力で取っ払って、私を男性アイドルという新たな沼に落としてくれた。ありがとうアイドリッシュセブン

終わりに

そんなわけで私は、ムビナナとストーリーを経て、キャラクターとしての彼らのことも好きになったし、アイドルとしての彼らのことも好きになったし、その結果這い上がれないくらい深い沼に落ちたって話。

アイドリッシュセブンのどこを好きになったか、という話は全然できていないのだけれど(これも文字にしたいなあという気持ちはある)、この経緯だけでも私にとっていかにアイドリッシュセブンが魅力的なコンテンツだったかが伝わるんじゃないかな。

そして現在進行形でどんどん推しのこともアイドル達のことも好きになっている。特にIDOLiSH7の楽曲が本当に良くて、毎日のように聞いている。

というか8年間の歴史があるコンテンツ、本当に底なし沼か?ってくらい過去に供給された物たちがあってすごい。しかもG4Yとか8周年ストーリーとかはまってから供給されたものもたくさんあって、本当に毎日毎日摂取するものがたくさんある。すごい。

そんなわけでこれからも、出会って好きになれたことに感謝をしつつアイドリッシュセブンライフを楽しんでいきたいなあって。

ありがとうアイドリッシュセブン、これからも、何卒よろしくお願いします。