ダンスマカブルを読んだ感想、という名のひとりごと

 

はじめに

アイドリッシュセブンの劇中劇のひとつ、ダンスマカブル。通称ダンマカ。しんどいけどめちゃくちゃいいという評判を山ほど目にしていた。
ダンマカに限らず劇中劇というものを見てみたかったのでなんとか読めるようにならないかな……と思っていたら、ストーリーチケット実装&配布で読めるように。ありがとうアイドリッシュセブン、ありがとう公式様。
そして読めるようになって1ヶ月、メカララ→星巡り→妖万華鏡と読み、ようやくダンマカを読んだんだけどね。
めちゃくちゃよかった……あと滑り込みでムビナナ千秋楽ウィーク中になんとか読めて本当によかった。ダンスマカブル完走した状態でムビナナ見れるの嬉しすぎる。

これを書こうと思ったのは、自分がどう思ったか記録に残しておきたかったから。あと私はダンマカを読んで、他の人の感想をめちゃくちゃ読みたくなったので、私の駄文だとしてもひとつの感想として価値を感じる人がいるかもしれないなあと思ったので。
ちなみに私は文章を書くことが普通にとんでもなく苦手で、感想文系に至っては嫌いの領域にあるので、面白く、読みやすくはかけていないです。文章を書くことが苦手な人間が絞り出したものだと思って読んで欲しい。あとダンマカは、そんな人間にも感想を書こうと思わせるくらい色々と衝撃的だったというのはでっかい声で言いたい。

前置きとか注意事項とか

ここで話すことの大半はストーリー全体の感想と『忘れられた者たち』の話です。他のキャラクターについても書きたい気持ちはあるんだけど字数の都合上触れてないです。でも全員めちゃくちゃよかった。どこかで全員分の感想も書きたいな…。
あとこれを書いている人はムビナナからアイドリッシュセブンに入った人なので、アイドリッシュセブンに対する知識不足が著しいです。できる限り調べたりメインストーリーを読み返したりしましたが、足りないところ、間違っているところ等ある思います。ご容赦ください。あと和泉一織さんのことが好きで七瀬陸さんにクソデカ感情を抱いている人なので、その二人の話ばっかします。

※10/2追記

ブックレット、読みました。読んだ後だと本当に色々酷いなと思って消すか迷ったんですけど、残しておくことにします。

ダンマカを読む前に思ってたこと

人がわりとたくさん死ぬと聞いていて、基本登場人物が亡くなるタイプの作品を見ることがない(アイドルものと日常系が好きなので)から割とびくびくしてた。あと、推しではなく推しが演じる役柄が死んだ時、自分はどう思うんだろうなって気になってた。
あともし推しが人を殺す役柄を演じていたとしたら、私がメインストーリーを通して見てきた推しは、どこかで人を殺す演技をしたことがある人になったんだなあ(別にそれでメインストーリー内で描かれるパーソナリティに変化があるわけではないんだけど)とか思ってた。
あとは物語の雰囲気的に、物語シリーズ阿良々木暦が言っていた『正義の敵は、また別の正義』的な感じの話なのかなあって考えてたり。

しんどいから読むなら次の日予定がない日の方がいいよという情報が先輩マネージャー様のポストで流れてきたし、私にアイドリッシュセブンを教えてくれた先輩からも同じことを言われていた。
結局読むぞ!って思ったタイミングで手をつけた結果、読み始めたのが日曜日の夕方。当然の読み切れなくて、結局ダンマカ(~終盤)→用事→ムビナナ→完走になった。用事こなしてる時気が気じゃなかったので人の助言忠告は聞いた方がいい。

ダンスマカブル、すごいね?

なんかめちゃくちゃ気合い入ってない?立ち絵も違うし、しかもフルボイス。他の劇中劇もとてもよかったけど、情報量が全然違くてびっくりした。あと全員もれなく表情、特に視線がすごくいい。情報量の多さとそれによって物語にのめり込む感覚が段違いだった。
立ち絵があることによってこのアイドル、こんな表情もできるんだ……となり、ボイスがあることによってこのアイドル、こんな演技するんだ………となり、アイドルが役柄を演じることへの解像度が爆上がりした。
あと本当に今更だけど、声優さんって本当にすごいんだなって改めて思った。口調もトーンも全然違うのに、声はそのアイドルなの、すごい。あと声色自体がかなり違うアイドルも、ちゃんと声に面影があって、あくまで『アイドルが演じている』声をあててくださっている。本当にすごい。
特に三月さんのライデン、天さんのヴィダ、千さんのロイエ、壮五さんのシャオ、巳波さんのフーガがめちゃくちゃよかった………………。
途中まで、アイドルが登場する度にいつもと違った表情と声にテンション上がってキャッキャしてたんだけどさ、『忘れられた者たち』が出てきたあたりからそのことしか考えられなくなったよね…………。

『忘れられた者たち』について

カバネと一織さんについて

っっっっ顔がいいなあ〜〜〜〜〜〜〜!!!
和泉一織さんの顔がいいのはなんかもう全世界が承知の揺るがない事実ではありますが、なんか、こんなに顔良かったんだ…………ってなったよね。顔の良さを再認識した。あと声もめちゃくちゃいい。いい声。声がいい…………顔も良けりゃ声もいいの、どうなってんの?というか聞きなれた声よりもだいぶ低くてびっくりした。ただでさえムビナナばっか見てるおかげでアプリのボイスが低めでたまに驚いてるのに………ってか、一織さんの声帯、そんな声出るんだ……………。あと演技うますぎじゃない?本当になんでもできるなパーフェクト高校生……ありがとう今日も最高の推しでいてくれて…………。
ここまで声も違ってがっつり“演技”してくれてるの、声優さんから一織さんへの圧倒的な信頼(一織さんはこの演技ができるだろうっていう)を感じる。
というか今までの劇中劇は私が勝手に脳内で一織さんの声を補完してただけなので、今までも想像と違う声で演技してたんだよな......他の劇中劇も今からでもフルボイスになりませんか……?なんかせめて、せめてフルが難しくてもいくつかサンプルボイスいただけたらあとはこちらで想像で補うので.........何とかなりませんか……?

そして登場シーンで悲鳴あげた。っていうか出てくるの遅いよ。1回目はシルエットだったし。読む前に見たPVにも容姿出てこないし。待った分の喜びも相まって、出てきた瞬間めちゃくちゃ盛り上がってた。今思うとこの時が一番明るい気持ちではしゃいでたな…。
あと一織さんの視線が本当に綺麗。一織さんの目が本当に綺麗で綺麗で綺麗で仕方ないと思ってここ数ヶ月を生きてきたので、その目であの視線をされて無理になった。ストーリー読み終わったあと公式ホームページみたら、カバネさんの説明文に『光のない虚ろな目をしている』って書かれて、つまり一織さんが演技として光のない虚ろな目をしたらあの目になるのか……って感動した。私の中で一織さんはわりと常に何かを見ている印象があるので、光のない、も虚ろな目、もとても貴重…だと思う…。光がなく虚ろだとしても綺麗な目してるよね、本当に。はあ。
でもそれはそれとして一織さんになんて役柄を演じさせてるの……って勝手に苦しくなった。
というかアイナナ世界ではあの視線をした一織さんが動いて演技されるわけで、それを見られることが羨ましいと思うと共に、アイナナ世界のオタクたち情緒持たんでしょ……私は持たないよ…………ってなった。
あと演技とはいえ、自分はとびきり不幸であると思っている一織さんの姿を見れるのはめちゃくちゃ貴重だなって思った。あと不幸にどっぷり浸りきっていてもなお美しいというか、そういう演技をする一織さんにはまた別の美しさがあるの、ずるくないか?
あとヴィダとの戦いで身体すぱすぱ切られるし100回は殺されるし最終的にみじん切りにされるしで、ここだけは映像じゃなくてよかったな……ってずっと思ってた。一織さんの美しい身体がバラバラにされるところ、さすがに見るに堪えないので……というかテキスト上でも推しがバラバラにされるのまあまあ辛かったし、苦しんでるボイスも普通にめちゃくちゃ辛かったけど………。

推しが死ぬか、殺すか、どうなのかって思ってたら、まさかの『死ぬことができない』が一旦の答えで驚いた。さすがに予想してないよ...。
正義の元に自分がした行動を後悔すること、過去に自分が言った『後悔しない』が嘘になること、せめて後悔をクオンにぶつけないようクオンを避け続けること、それが1,000年続いて、これからも終わりなく続くこと。全部全部、私がどれだけ想像しても1%も理解できないくらいに、辛いんだろうなと思う。自分をとびきり不幸だと思わないとやっていけないくらいに。誰も耐えられるわけが無いと、誰も耐えられないんだから自分は悪くないと、そう思わないとやっていけないくらいに。
あとクオンは助けられた側として、永遠を『辛いなんて思っていいわけない』と思っているわけで、どれだけカバネがクオンに後悔をぶつけてもそれを責めないんだろうし、それをカバネもわかっているだろうから、それがまたきついんだろうな。
一度クオンに後悔をぶつけたら最後、どれだけの量の後悔を溢れさせてしまうか分からないくらいにはカバネは後悔しているけれど、仮にクオンにその後悔をぶつけたとしたら、ただでさえカバネは自身を責め続けているのに、更にその材料を増やしてしまうわけで。そりゃあ避けもするよ…。

コノエが食料をまかなってる、みたいな話を聞いた時に思ったんだけど、この3人って食事をとる必要はあるんだよね?怪我をすれば痛いってことは、お腹も空くって解釈でいいのかな。永遠に生きることに絶望した時、カバネさんたぶんなんとか死ねないかって画策したんだろうなあと思って。自分で自分を切りつけたりなんだりするのもそうだけど、自分で自分を傷つけるのって限界もあるし、なんとか死ねないかと色々試したんだったら、食事を取らないで餓死を待つみたいなこともしたのかな……どれだけ飢えても苦しいだけで死ねなかった時間があったのかな…………………
あとやっぱり互いに殺しあおうともしたのかな、とか。

クオンと陸さんについて

陸さんになんて目をさせてるの………………いや陸さんはあくまでクオンを演じてこの目をしてるから……陸さんの意志でこの目をしてるんだけど………………でもなんて目させてるの…………って何かを責めたくなったよね……………色んな感情を全部瞳の奥に閉じ込めて、一番表の見える場所には決意を映している目、だと思った。
あと声がめちゃくちゃ綺麗。穏やかだけれど切なげで儚い声。響き方がとても好き。
クオンが言った『どんな気持ちも、どんな言葉も、永遠を保証しない』って、アイドルとファンの関係においてもものすごく重い言葉だなって。アイドルはファンに、ファンはアイドルに、『ずっと一緒だよ』とか『永遠に推す』だとか言うけれど、実際はそんなこと無いに等しいんだよね。アイドルとファン以外の人間関係においてもそれは同様で、人の気持ちはどうしたって変わるもので。そんなことは理解してるんだけど、陸さんが演じるクオンの声と目で言われるの本当にしんどかった。あと絶賛自分が人の気持ちは変わるってことを体験中だったから、そういう意味でもぐさぐさ刺さった。自業自得すぎる。

あと死の恐怖を人よりとてもよく知っているであろう陸さんに、生きているだけで人を呪い殺す→永遠の命を持つ役柄をぶつけてくるの、まじかって思ったよね。片方だけでもしんどいのに…?
この役を演じた陸さんがどう感じたのかは分からないけれど、ただ、陸さんは人の感情の機微に敏感な方だし、クオンの考えていることがわかる、というか共鳴するところがありそうだなって。そういう意味では、クオンははまり役というか、陸さんのためにあるような役だなあとも思った。
ところでアイナナ世界のオタクたちはこの陸さん見て情緒大丈夫だったのかな…………見る度に心ぐちゃぐちゃにされてもはや涙も出なくなりそう……………あとキラキラアイドルの陸さん見る度にクオンを演じている姿との差異に驚きすぎて頭バグりそう。

コノエがクオンのことを『世界観強め』って言ってたけど、クオンっていつからこんな感じなんだろう?コノエがこう言うってことはたぶん2人と出会った時からそうなんだろうけど。
運命だとか、自分の意思からはちょっと遠いところに出来事を置くのって、自分の感情が動くと周りを傷つけてしまうから、なるべく感情を動かさないようにってした結果だったりするのかな。

 

生きているだけで人を殺す状態から救われた側として、永遠の命を辛いと思わない(辛いと思っていいわけない、から思っていない)し、カバネが自分を避けることがカバネのした選択ならそれを尊重している姿が本当にすごいし、もちろんかっこいいんだけれど、正直恐ろしいとも思っちゃうよね。かっこよくて、恐ろしくて、美しい。あとカバネへの感謝を忘れないこともそう。『助けてくれて、ありがとう』って1,000年以上思い続けられるの、すごいよ。
育ち方によるところもあるのかなって思ったけど、約1,000年の前では、もはや生まれてから20年くらいなんて誤差みたいなものじゃない?人間が作られてきた時期を覆すには十分すぎると思う。1,000年生きたことないから分からないけどさ……


まあ、これだけの苦しみの中で誰も精神的に崩壊してないし、あと普通に姿かたちも変わっていないことを思うと、そもそも身体の状態も変化しなくなるのかも。不老不死だけじゃなく不変、みたいな。どれだけ食事をとらなくても、お腹はすくし喉は乾くのに体調も体型も変わらないし、肉体的にも精神的にも老いないってことなのかな……。わかんないけど。
あとカバネがなんとか死ねないかって画策した時に、クオンはカバネから申し出があればどれだけでも付き合ったんだろうなって。それこそ飢え死しようとしたら、カバネがもうやめようって言うまでどれだけ苦しくても付き合ったんだろうな………もうこれは完全にオタクの妄想だけどさ..............

そして、それだけの覚悟で数百年の間カバネの意思を尊重し続けてきたクオンが、リーベルとアルムのことについてはカバネに対して『必死に説得』したの、もう本当にかっこよすぎる。助けられた側として何百年もずっと気をつかってたクオンが(気を使ってた、はカバネの表現だから実際のところは少し違うんじゃないかなって思うけど)、それでもこのことについてだけはカバネの意思の尊重を破って対話を試みたの、本当にかっこいいし、美しい。
リーベルとアルムについて、カバネは『同じだと思いたかった』、コノエは『同じになって欲しいと思ってしまう』って言ってたけど、クオンは『自分たちと違う道も存在すると思いたかった』のかな。自分とカバネの関係に希望を見出したかった…というよりは、今でも希望を感じていたのかな。わかんないけど。ただクオンはきっと、カバネが自分との対話を望めば、それがどんな内容だろうと、八つ当たりだろうと罵倒だろうと、何万回でも受け入れたんだろうな。なんならその方がましだと思ってるのかも。

コノエとトウマさんについて

ありがとうトウマさん。トウマさんの株爆上がりした。めちゃくちゃかっこよかったしトウマさんがいることによる安心感がすごかった。あとコノエ役、トウマさんの3部登場時からの隠しきれないいい人感と優しさがめちゃくちゃに発揮されてた。あとŹOOĻがバラバラだった時から何とか繋ぎとめようとしていた、ŹOOĻのかすがいみたいなトウマさんに合う役柄だったと思う。本当によかった……。あとコノエっていうかトウマさん、歯見せて笑う顔めちゃくちゃかわいいね………。

ホームページのキャストコメントで、コノエの人間くささが出てるアルムとのシーンを好きって行ってるの、トウマさんからコノエへの愛が伝わってきて大好き。

というかコノエ、めちゃくちゃいいやつでびっくりしちゃったんだけど。コノエが3人分の食料を賄ってるし家事全般担当してるって知った時、普通にいや他2人何してんの???ってなったよね。いくらコノエ自身が2人のために働くのが楽しいと言ってもさ???
後々カバネが王、クオンが元天子って聞いて納得しかけたけど、いや1,000年以上もあったならやろうと思えばできるでしょ………ってなった。3人で協力して何かをする、ってことがあったらカバネとクオンの関係も変わってたんじゃないかって思わなくもないけど、でもコノエにとっては2人のために働くことが生きる理由というか、死ねないことへの折り合いの付け方なのかな。
というかいくらカバネの右腕だったとはいえ、そして自分の意思でついていったとはいえ、巻き込まれて自分も死ねなくなったのに笑って2人といられるの、忠誠心が高すぎる。クオンは助けられた恩があるとしても、コノエはそれも別にないわけで………カバネが呪いを解いたからこんなことになったって責めてもいいはずなのに………………いい人過ぎないか..................??トウマさんのキャストコメント見て、いや本当にそれ……ってなっちゃったよね。
そしてそんなコノエが唯一しんどいと言葉にしたことが、カバネがクオンを避け、クオンが罪の意識に悩むことだったのさあ.........ほんと.........本当に…………………
あと数百年も2人の喧嘩に巻き込まれて間に入って伝言役やってるのも本当に偉すぎる。偉すぎるよ………ってかもはや偉いとかいう言葉では何も表せないくらいに偉い。まあそうしないと3人で生きていけなかったっていうのもあるんだろうけど、どちらかというと天性の才能と忠誠心の高さなのかなって思わせるくらいには明るく笑顔で振舞っててすごい……。けどアルムと2人きりの時は地下の物珍しさに喜ぶアルムに複雑そうな顔をして、その後1人で『良いなぁ、アンタらは』って言っててさ…………しんどいよ……………………。

 

カバネとクオンについて

まあ一織さんと陸さんが好きなオタクなので、なんというか2人になんて役柄を演じさせてるの………ってなったよね………………。いやものすごくよかったんですけれど。本当に本当によかったんですけど。しんどかった…。
単純に私自身がこの2人が好きだからしんどいっていうのもあるし、好きとか嫌いとか関係なくこの2人が演じるからこそのしんどさがあったと思う。陸さんと一織さんが演じる子達が数百年仲違いしてる姿、しんどくないわけが無いのよ。この2人、どんな気持ちでこの役柄を演じたんだろうね。あと2人で、トウマさん含めた3人でどんな話をしたのかもすごく気になる。

あと気になったのが、話さなかった時間をカバネとコノエは数百年、クオンは500年くらいって言ってたこと。2人は数えることをやめてしまった後も、クオンだけはいつから話さなくなったかずっと覚えてたのかな。オタクの妄想だけど、クオンはカバネと最後に交した言葉もずっと覚えてそうでそれもまた辛い。
あと、カバネは助けた正義感を後悔するのに100年かからなかった、って話していて、つまり約400年は後悔したままそれでもカバネはクオンと言葉を交わしていたのかな…と思うと、その時間もその時間で辛い。少しずつ少しずつ永遠の命へのしんどさが増してきて、クオンを責めそうになって、自分の正義を裏切りそうになって、それを飲み込んで一緒にいて…っていうのを繰り返して、最終的にはクオンもカバネ自身も守るために避けるしかなくなったんだと思うと、その過程も本当に辛い。

カバネとリーベルについて

カバネはクオンを正義感から助けるために連れ出して、呪いを解いた。(たぶん)相手がクオンじゃなくても、その正義感から呪いを解こうとしてた。そして呪いを解いた結果永遠の命となり、自分の正義感を後悔することになる。
リーベルはアルムを交渉材料として連れ出した。それが世界を救う希望になって、アルムだから、呪いを解きたいと願った。
カバネとクオンは先輩だっていうけれど、そもそもカバネとクオンは死がなくなるって知らなかったわけだし、割と状況は違うよね。

でもその上で、助けたくて連れ去ったのに後悔をすることになるカバネと、利用するために連れ出したのにそれが希望となるリーベルの状況の対比は辛いな、と思う。

 

全体の感想

選択肢について

ストーリーにおいて選択肢がある、ということ自体がダンマカが初実装なんだ…(まあ本当に厳密に言えばラビチャはあるけど重みが違う)。
劇中劇以外にもイベントはあるだろうからそこであったりしたのかなと思ってたんだけど、先輩マネージャー様方のポストでダンマカが初実装だと知った。というかもしかして以降も選択肢って出てきてない??本当にダンスマカブルのためだけに導入されてたりする???
アルムが言う、『自由って、怖いことなんだな……』をこちら側に突きつけてきた上で、最後に選ばせる。選択肢を選ばせるシステムを実装してまで。アイドリッシュセブンって本当に、人の感情を動かすことに全力を注いでくるコンテンツだよね。大好きです。

 

私が選んだのは『リーベルと共に永遠を生きる』方。選んだ理由は、クオンに背中を押されて、カバネが呪いを解くという選択肢を与えてくれたから。永遠の苦しみを知ってもなお2人を信じようと選択肢を提示してくれたなら、私はそちらを選びたいと思ったので。正しいか正しくないか、というより物語の読み手として選びたい方を選んだ。エンディングの感想はこの後書くけれど、こっちを選んでよかったと思った。

 

選択肢、どっちを選んだ方が多いのかな。Xで見かけたアンケートは、上が約2/3,下が約1/3だったけれど。母数は多ければ多いほどいいのでいっそ公式でアンケート取って欲しいなって思ってしまう。
あと全マネージャー様にどちらを選んだのか、どうして選んだのか、手当たり次第に聞いてみたいなと思った。無理だけど。とりあえず私にアイナナを教えてくれた先輩には今度聞く。
実装当時にアイドリッシュセブンをやっていたら、色んな人のツイートとか感想とか見れたんだろうなあと思うんだけれど、今はXで雑多に流れてくる感想を(当時ほどは)見ることが出来ないのが惜しいところ。これ書き終わってブックレットまで読めたら、サーチに引っかかる限り読みたいなと思う。きっと色んなことを考えて、選んで、選んだ後も様々考えた方が本当に沢山いるんだと思うので…

選択肢があるってことは想像がついたし、(Ep.39のタイトルとEp.40が2つある時点でね…)選択肢があるってことは何を問われるかも想像がついてしまったわけなんだけどさ。
リンウイと同じ形式だとしたら、もしかしてイベントやりながらストーリー読んだ時は選択肢があったこと予測できない仕様だったのかな。だとしたら、選択肢があると知らずにあの選択を突きつけられる体験、してみたかったな。

あと最後の選択肢、ストーリーを提供するコンテンツである以上どちらも読めるようになってはいるのだけれど、どちらを選択したかは残り続けるのがいいなあと思う。意図的なのかそういう仕様なのかは分からないけど、Ep.39からそのまま続けてEp.40を読むと、選択した方しか読めないんだよね。どちらかを選択した事実は消えない。
というか私は、あれだけのストーリーを読んだ後に選ばなかった方の世界が覗けてしまうことがものすごく嫌で、選ばなかった選択肢のストーリーを読むか読まないかでものすごく葛藤したから、余計に選択した事実が残ってよかったなって思ったのかもしれない。

選んだ選択肢の感想

一織さんが演じる役、死ねないんだな…って思ってたらさあ…死んじゃったんだけど………(思い出せる限り)初めての推しの死、和泉一織さんが演じるカバネになっちゃった。
そして本当に、本当に、何百回と言われてると思うんだけど、死ぬ時のカバネとクオンの言葉の対比が本当に辛い。
あれだけ時間があったのに言っていないことがある、と言うカバネと、あれだけ時間があったから、言葉にしなくてもカバネの思うことなんて全部伝わってるというクオン。
実際のところはどうか分からないけどさあ。数百年の時の後にようやくゆっくり話せて、その直後に最後に話すことも出来ないままお別れって、辛くないわけないじゃんか……どれだけ憎みそうになっても、避けても、それでも1,000年以上同じ時を過ごしたんだよ…?

そして例えカバネの思いを全部を分かりきっていたとしても、それでも、相手の言葉で聞きたいって思っちゃうものじゃないかなって……私は思うわけで………。クオンがどう思ってるかは全然分からないっていうか勝手に想像することしかできないけど、でも、どう想像してもあまりにも辛すぎる。クオン側の思いがどう想像してもしんどくて、何も言葉にできない。クオンについて何か書こうとして、文字に起こしては違うな…...ってなるのをを繰り返してるので、たぶんまだ自分の言葉にはできない。それくらい辛い…...

あとずーーーっと考えてたんだけど、カバネは助けた側ではあるけれど、でも結果的に3人を死ねない状態にしたのって不完全な方法で呪いを解いたカバネだよね?
そしてアルムに対して、『……責めていいのは、救った相手だけだ』って言ってて。カバネはカバネで、助けた結果、永遠の命にしてしまった負い目みたいなのがあったんだろうか…って......。
もしカバネがクオンを永遠の命にしたことに対して負い目があってそれを言葉にしたとしたら、クオンはリーベルみたいに何回でもそんなことはない、助けられてよかったって言ったと思うんだけど、でもそもそもカバネは(思ってたとして)言葉にしたのかな。言葉にはしてなくて、だからクオンも救う言葉をかけられなかったんじゃないかな。カバネはずっと、クオンの『助けてくれてありがとう』を拠り所にしてたんじゃないかな。
もう本当に全部わかんないんだけど!私はそう思った……でもこれから咀嚼していったらまた変わるかも。まだ全然読み込めてないし...。

そして最後、アルムとリーベルの会話。地上に何があったんだ…って感じだけど。まあそれはさておいて。
一緒に新しい世界を作りたい、といって選んだ永遠の先に待っているのが2人きりの世界であること、その世界を『楽しもう』というリーベルと、『かけがえのない、私の世界』というアルム。そして流れる『My Precious World』。いや、なんにも言えないんだけど……言えないんだけどさ。
かけがえのない世界がこれからも、アルムとリーベルのために続いていく。それだけで十分じゃない?そしてアルムとリーベルはどれだけの時間が経っても、アルムが願って手に入れたこの世界を、2人にとってかけがえのない世界にし続けるんだろうなあって。
とてもいけないことをして、それでも新しい世界一緒に作りたいと願った先にこの世界があるのって、残酷だし、たぶんハッピーエンドではないんだけど、終わり方としては好き。
でもそれはそれとして、私がした選択の結果がこの結末なので、本当にごめん.........ってなったよね……………まんまと自由の怖さを突きつけられてしまった気がする。
ところでなんで2人ともフード被ってるんだろう、って思ったんだけど、いけないことをした罰を被る(こうむる)ってことなんだろうか……カバネもフード被ってたし………まあリーベルは最初からフード被ってたけど……。

 

そして自分の意思で選んだ選択肢がとてもいけないことをした結果でこれだから、もうひとつの選択肢は恐らく正しい選択肢というか、トゥルーエンドなんだろうなと思うと、都合よくそっちを見るのってやりたくないなって思っちゃうんだよね。
まあ結局、アイドル達がどちらも演じてくれたのなら見ないのは無礼だなって思って読んだんだけど。読んでよかったと思ってるけど、でも読みたいか読みたくないかだったら読みたくなかった。スクショ見返したら、読むか読まないかで4時間くらい悩んでたっぽくて笑う。

選んでない選択肢の感想

こっちから選んでたら、別にもうひとつの選択肢を読むことを躊躇うことは無かったと思う。
ユニティオーダー、リベリオンのその後が気になってたから、その辺が知れてよかった。
ライデンがリベリオンを名乗ってるシーン、めちゃくちゃにかっこよかったし、自分は自分のために戦うっていうのが“正義”でよかった。
あと、オルカのその後が描かれてめちゃくちゃ安心した。もう出てこないかと思ってたから……。きちんと今を貪欲に生きててよかったし、これからも元気に生きていて欲しい。ヴィダとプラセルのことをずっと覚えているんだろうし、すごい強い奴がいたんだぜって語り継いでいって欲しいな。
そしてアルムが、自分なりの戦い方として、新しい天子を生まないために生きているのが、本当に強いしかっこいい。リーベルの言葉を思い出して、アルムがみんなの希望の光、偶像、アイドルとなる。リーベルのことを、みんなに語る。リーベルが亡くなっても、その思いは生きて、継がれていく。リーベルがなくなってから3年で、まだまだ何も解決はしていなくて、それでもこれからリーベルが願って手に入れようとした世界をみんなで作っていくんだろうなって予感がする終わり方で、すごく綺麗な終わり方。とてもよかった。
あと、アルムが『カバネたちも会いに来てくれる』って言ってて、『忘れられた者たち』が忘れられた者ではなくなったのも嬉しかったし、言い回し的に3人全員で会いに行ってるのかな…(カバネとクオンが別々に会いに行ってたら、アルムはカバネとクオンとコノエ、って言いそう)って思ってちょっと安心した。
そしてコノエがカバネのことを呼んでいたのも、クオンが『少しずつ、変わっていけばいい』『時間はたっぷりあるんだから』って言っていたのも嬉しかったし、希望をありがとう……ってなった。上の選択肢を読んだ後だったから、より一層沁みた。どうかこれから、2人が少しずつ変わっていけるといいなあ。

ストーリー全体の感想

色々書き出してみて、改めて余白の多い作品だなって思った。これだけ感想書いたけど、まだ書けてないことも考えられてないことも山ほどある。

きっと人によって選択も感じたことも考えたことも全然違うし、あといつ読むか(人生のどの位置で読むか)によっても感じ方が違うんだろうなあ。
もちろんアイドルたちが演じていることに意味を感じているのだけれど、それを差し引いても一つの作品としてすごく面白かったと思う。挿絵多めでノベライズ化とかしてくれませんか……??とても読みたい。

 

物語そのものの感想で言うと、そもそもアイドリッシュセブンって、というかIDOLiSH7の曲を聞いていると、今日を生きて!って背中を叩かれてる気分になるんだよね。これまでの道のり、明日、明後日があること、未来があることの喜びもそうなんだけど、まずは今日を一緒に生きよう!って言われてる気分になる。特に『ナナツイロREALiZE』の『そろそろさ 未来じゃなくて 今日に夢中になって!』とか。
だからある意味新しい気持ちにはならなかったというか、自分が今日をきちんと生きているか、いつか終わる命を精一杯生きているか、って振り返って、頑張らないとなあってなった。あとアイドリッシュセブンに出会ってからというものやりたいことが多すぎて毎日のように今はまだ死にたくないって思ってるから、カバネの言葉はとても刺さったよね……。やり残してること、山ほどあるので……。
あとは割と自由にやりたいように生きていて、それで後悔もしていたりするし間違えたりもしているから、アルムが言う『自由って、怖いこと』だっていうのは本当にその通りだと思ったし(私の言う自由の重さなんてダンマカのストーリーの前では足元にもおよばないけれども)、その上で、永遠の命を持たない私は今日をきちんと生きるために、自由でいたいなあと思った。自分で選べる、自由の怖さを忘れないように、でも自分のために自由でいたい。生きるって小さいものから大きいものまで選択の連続だしね。
あと相手と自分を永遠の命にしてまで助けたい人がいるか、その人とやりたいことがあるかっていったら、今の私にはないし、永遠の命にされてまで助けられたい相手もたぶんいないから、アルムとリーベルの関係は羨ましいなあって思っちゃった。
書いてて自分で感想軽いな…ってなってる。まあこれから何回も読み返して咀嚼するから……今はこれくらいで容赦されたい。

ストーリーの感想とはあんまり関係ない話

ブックレットとかについて

運良く入手できた(読み終わった日に中古ショップの通販サイトで売ってて買った。数日前に見た時はなかったから、本当に運が良かったと思う)ので、届いたら読む。書き下ろしエピソードでどこが描かれているのかとても楽しみ。
可能性としてありそうなのは
・カバネ、コノエとクオンの出会い
・クオンの呪いを解く前後(助けてくれてありがとう、の話)
・カバネ、クオンが仲良かった頃のエピソード
・下のエンドのその後
あたりかな?『忘れられた者たち』、補完して欲しいエピソードが多すぎるので全部ください。
まあ一番読みたいのはカバネがクオンを避ける前の最後の会話なんだけど…それは存在するかも分からない記憶なので……。なんにせよ早くブックレット読みたいね。
あと脚本家の方のインタビュー記事があるそうで、それもめちゃくちゃ楽しみ。雑誌のバックナンバーが電子書籍で買えるの、めちゃくちゃありがたい。

 

ムビナナの話

新規勢、色んなことを実装順に体験できなくて寂しい思いをすることが多かったので、代わりに(?)今しか出来ない体験をしようと思ってダンマカ読みかけの状態でムビナナに行ってきた。
めちゃくちゃよかった。いやもう本っ当によかった。
ムビナナ、見ようと思えば何回でも見れることが本当にありがたくて(それももう終わっちゃったけど、後悔しないくらいにはたくさん見に行って色んなことを考えながら見れたので良かった)、丸々1回分、ダンスマカブルに思いを馳せながらアイドルたちのライブを楽しんできた。気分は『アイナナ世界の、ダンスマカブルからアイドルたちのことを知って、ダンスマカブル放映中にライブを見に行ったオタク』だった。楽しかった。
あといつもの5億倍くらい八乙女楽さんと棗巳波さんがかっこよく見えて(普段からめちゃくちゃかっこいいのに!?!?)最高だった。
そして、物語の途中ではあるけれど、悠さん&龍之介さんの『灰の下の文明 どんな歌があった』の組み合わせが!ようやく関係性を理解した上で見れた!!!
もう本当に嬉しくて嬉しくて、2人が映った瞬間叫びそうになったしあの瞬間だけ初見だった。そしてアルムとクヴァルのこと思い出して泣いた。
話が完全に脇道に逸れるんだけど、もう本当に、アイドリッシュセブンはどれだけ私に楽しい体験をさせれば気がすむんだろうってくらいたくさんの体験をさせてもらって、本当にありがとうございますの気持ち。ありがとうございます、大好きです。

終わりに

ダンスマカブル、本当に面白かった。8周年で過去イベントを読めるようにしてくれて、さらにムビナナの千秋楽ウィークをやってくれたおかげで、ダンスマカブルを読んでからムビナナを見ることが出来て本当に良かった。ありがとうアイドリッシュセブン……あとは存在するらしいというイベントの配布カードも復刻してくれたら嬉しいな…………あと一番くじの再販も………………………(これはアイドリッシュセブン側じゃ決められないかもだけど。一番くじの再販自体は例があるっぽいので何卒お願いしますの気持ち。クオンとカバネのアクスタ欲しいよ…)
今回は書けなかったけど、16人全員めちゃくちゃによかったと思っているので、いつかその感想も文字にしたいな。